種々-くさぐさ- 2025/9/25
岩木山虹農園便り56号
日の出・日の入り、どちらも五時半頃。つまり秋分の季節になりました。津軽では最低気温が一五℃前後になり、暑い夏の記憶を忘れさせます。
白菜の葉についた「オンブバッタ」を見ながら虫も植物も、来年再び生まれ変わるための、種を残す季節になったなあと感じます。春から夏にかけて植物の成長に合わせて無我夢中で活動していました。胡瓜や南瓜、オクラやトマト等の種採りをしながら、ようやく振り返る時間を味わっています。
病気や障害とつきあう
どんな人でも生きていれば怪我や病気は必ずやってきます。
私事ですが、十歳頃までの幼少期は病弱のため毎週のように通院。三〇歳前後に二度の腰の手術。五〇歳台に入って右耳が聞こえなくなりましたが、今のところ、以上で済んでいることは、幸運でしかありません。
時折夕方に、自宅の前を散歩する八十歳近い老父に会います。片足が動かず、杖を突きながら一歩、一歩ゆっくりと歩きます。少し会話しますが、いつも軽やかな声で返してくれます。ただそれだけで胸底からじわっと感動がのぼってきます。
今は寛解されていますが、十一年前に癌のために胃の全摘出手術をされた木村秋則さん。お見舞いに行った病室の中で、笑っていました。人間の命とすさまじい心の強さに圧倒された記憶が、今のわたしを支え続けています。
身体が故障を起こしたり、心が傷ついたりしながら、それを受け入れながらさわやかに日々を送る方々をたくさん見てきました。尊敬と畏敬の思いだけでなく、そういう方々に励まされている自分に気づきます。
野菜などの病気や虫食い、雑草等は、土を本来の状態に戻そうとする自然界の作用です。人の体も「自然」そのもの。病気や障害を、受け入れながら生きることで、人として成長するためのきっかけにできたらと思います。


